COLUMN
2020年9月7日
【ランナー必見!】練習の75%を占めるジョギングの効果的な実践方法とは?
みなさん、こんにちは!
RUNNING SCIENCE LABの新田です!
今回は全てのランナーが必ず取り入れているであろう「ジョギング(JOG)」について、ご紹介していきたいと思います。
「JOGってただゆっくり走るだけじゃないの?」
そう思われた方もいらっしゃるかと思いますが、実は「JOG」にも色々な種類があり、目的に応じて使い分けが必要です!
では一体、効果的な「JOG」とはどんなものなのか?
一緒に見ていきましょう!
JOGとは?
「JOG」とは、比較的ゆっくりとしたペースで走るトレーニングのことです。
数種類あるマラソントレーニングの中で一番負荷も低く、初心者でも取り入れやすいのが「JOG」でしょう!
しかし負荷が低いからと言って、重要度が低いかと言うと決してそんなことはありません。
むしろその逆で、マラソンランナーの基礎を作ってくれるのが「JOG」です。
正しいトレーニング計画を立てると、自然と「JOG」の割合が75%-80%近くになりますが、トレーニングの大部分を占める「JOG」をどのように行うか?で、長期的に見ると大きな差になります。
では次章で「JOG」の目的についてご説明したいと思います!
JOGの目的とは?
「JOG」の目的は大きく分けて3つあると思います。
①走力の向上
一つ目は走力の向上です。JOGと言えど、継続して取り組めば走力の向上に繋がります。JOGを行うことで得られる効果には、以下のものが期待できます!
1)ランニングエコノミーの向上
2)VO2maxの向上
3)脂質酸化能力の向上
4)筋力の向上(初心者の方)
VO2maxが分からない方はこちらから
【マラソン】タイムを左右するVO2maxとは?
ランニングエコノミーが分からない方はこちら
【マラソン】ランニングエコノミーとは?
これらの能力はいずれも走力を向上する上で非常に大切な役割を担っています。
一つ一つの説明は割愛させて頂きますが、「JOG」を行うだけでも様々な能力が改善されているのを覚えておくだけで、トレーニングに対する集中力やモチベーションも変わるのではないでしょうか!
②ウェイトコントロール
二つ目の目的はウェイトコントロールです!
ランナーにとって体重は悩みの一つだと思います。体重が軽ければ良いと言うものではありませんが、適正体重でレースに臨むことが望ましいでしょう。
その際に無理な減量などに頼ることなく、適正体重を手に入れる方法として「JOG」は最適と言えます。
先に挙げた能力の向上に加えて、カロリーも消費するので一石二鳥です!
③ポイント練習への調整
三つ目はポイント練習への調整です。
基本的にポイント練習(負荷の高い練習)は、週に2-3回程度取り入れるのが理想的と言われています。
それ以外の日は「JOG」で繋ぐ方が多いと思いますが、「JOG」を行った時の感覚によって、次のポイント練習に向けて体調を整えることが可能です。
例)
1)JOGをしてみて疲労を感じた場合
走る時間を短くしたり、休息日にして疲労の回復を促す。
2)JOGをしてみてフォームに違和感を感じた場合
動き作り・ドリル・ウィンドスプリント(100m程度のダッシュ)を取り入れて、フォームの改善を図る。
このように体調次第では、取り入れる練習も変わってきますし、体調を確認する一つの指標として「JOG」は最適と言えるでしょう!
では次に「JOG」の取り入れ方について、私自身の実例を用いてご紹介します!
JOGの取り入れ方
簡単にできる「JOG」の取り入れ方として、普段、私が実践している内容をご紹介したいと思います!
※私自身の経験を基にご紹介しておりますので、参考程度に読んで頂けると幸いです。
私の場合は、時期によって「JOG」の内容を変えています!
●基礎作りの時期(レース前の3ヶ月間)
距離:長い
時間:長い
速度:比較的ゆっくり
トレーニング例
月:Rest
火:16kmJOG
水:ショートインターバル
木:16kmJOG
金:16kmJOG
土:ロングインターバル
日:20kmJOG
●調整期(レースまで残り2-3週間)
距離:短い
時間:短い
速度:速い・やや速い
トレーニング例
月:Rest
火:8-10kmJOG
水:調整練習
木:6-8kmJOG
金:6-8kmJOG
土:調整練習
日:レース
なぜ時期によって「JOG」の内容を変えているかというと、それぞれの時期によって目的が異なるからです!
基礎作り=自分の100%を高める時期
調整期=自分の100%をレースで発揮するために準備する時期
このような目的の違いがあるため、「JOG」の内容も変えて取り組むようにしています!
このトレーニング内容はあくまで一例となります。
1人1人「JOG」の取り入れ方も変わって当然だと思いますので、ぜひ自分に合った方法を見つけてみてください!
注意点
「JOG」を行う時の注意点は3つあります。
①フォームを蔑ろにしない
一つ目はフォームについてです。
どうしても「JOG」になると、ペースもゆっくりで、フォームも気にせずダラダラと走ってしまう方も居ると思いますが、
悪いフォームで走っていると、それがそのまま癖になってしまうので、「JOG」の時こそ、良いフォームを心掛けて走るようにしましょう!
②JOGに疲労回復効果は無い(薄い)
よく、疲労を抜くことを目的に「JOG」をされているランナーが居ますが、身体の回復機能を高める効果はあっても「JOG」自体に疲労から回復する効果はあまりありません。
「JOG」といえど、疲労は蓄積されますし、疲労から回復するにはトレーニングのバランスが大切になってきます。
リカバリーを目的とするときは、自分の回復力を上回らない量の「JOG」を行うことがオススメでしょう!
※「JOG」を行うことがリラックスに繋がり、その結果、副交換神経が優位に働き、疲労回復が促進される場合もあります。
少し話が逸れますが、トレーニング後のダウンJOGにも疲労回復の効果はそこまでありません。
どちらかと言うと、ポイント練習をした後に「JOG」を行うことで能力が効率良く改善されることが目的になります!
そういった意味では、基礎作りの時期などはダウンJOGを長めに取り入れることもオススメですので、ぜひ取り入れてみてください!
③ペースを上げすぎない
気分が良かったり、調子が良いと、「JOG」のペースもついつい上げてしまいがちですが、ペースの上げすぎには要注意です!
「JOG」を行なっていたはずなのに、ついついペースを上げ過ぎてしまい、ペース走の負荷が掛かってしまった。
その結果、疲労が溜まって、ポイント練習が予定通りのタイムで走ることができなかった…
このようなケースに陥ってるランナーは意外と多い印象です。
そうならないためにも「JOG」を行うときの負荷の目安としては心拍領域を用いることがオススメです!
●心拍領域
最大心拍数に対して60-80%程度を目安に設定する。
例)最大心拍数が200bpmの場合
120-160bpm程度
まとめ
①JOGはトレーニングの75-80%を占める大事な練習
②走力向上の重要な役割を果たしている
③ウェイトコントロール
④ポイント練習への調整
⑤時期によって使い分ける
⑥JOGの時こそフォームを大切に
⑦JOG自体に疲労回復の効果は無い(薄い)
⑧ペースを上げ過ぎない
(最大心拍数に対して60-80%程度)
いかがでしたか?
皆さんも、ぜひ効果的な「JOG」を取り入れて、パフォーマンスの向上につなげてみて下さい!
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
またお会いしましょう!