COLUMN
2020年9月22日
【トレーニング強度】ランニングのZONEとは??応用編
皆さん、こんにちは!
RUNNING SCIENCE LABの三津家(ミツカ)です!
前回はランニングにおける「ZONE」についてお話ししました。
今回は、そのZONE分類を用いてどのように実践に活かすか?応用編についてご紹介します!
前回のまとめ
・トレーニング強度は身体負荷によって相対的に分類することが望ましい
・以下のZONE分類例がある
ZONE1:低強度トレーニング(Jog、LSD)
ZONE2:中強度トレーニング(ペース走)
ZONE3:高強度トレーニング(インターバル)
ZONE4:オーバーペーストレーニング(800m、1500m練習)
ZONE5:スプリントトレーニング(スプリント、坂ダッシュ)
ZONEの活用方法
各ZONEによって身体にかかる生理学的負荷が異なるので、ZONEに分けてトレーニングを考えることは、偏った練習になることを防ぎ、バランス良くトレーニングすることにつながります!
例えばインターバルを行う際に、ZONE3のインターバルかZONE4のインターバルかで身体にかかる負荷は異なります。
ZONE3は心肺機能にかかる負荷が大きいですが、ZONE4は運動時間を伸ばすことが難しく、筋や神経系への負荷が大きくなります。
そのためインターバルのトレーニングをZONE4のペースばかりで行っていると、心肺機能の改善は期待できなくなってしまいます。
しっかりとトレーニングの目的を明確にして、計画を立てるようにしましょう!
ZONEの配分
各ZONEのバランスにはポラライズドトレーニング(分極化トレーニング)という黄金比があります。
ZONE1:80%
ZONE2:5%
ZONE3+4+5:15%
(割合算出は基本的には時間ですが、私は算出しやすい距離で計算しています)
これまで成功してきた選手や、パフォーマンスを伸ばしているランナーは、この割合で練習を行っていることが多いと言われています。
まずはこのトレーニングバランスに近づけることをオススメします。
いきなりですが、皆さんはノルウェーのインゲブリクトセン3兄弟をご存知でしょうか?
詳しく説明するのもあれなので、簡単にまとめると中長距離全ての種目において世界的にめちゃくちゃに強い3兄弟です。(笑)
この3兄弟のトレーニングバランスなどが、論文で紹介されていたので拝見したところ、20~25%をZONE2~5で行なっていました。
その中でも基本は10000m~5000mのレースペース(ZONE2付近)でのインターバルがほとんどで、試合前の時期には5000m~3000mのレースペース(ZONE3付近)を増やしていくとのことでした。
これも踏まえて、ポラライズドトレーニングの割合が絶対!というわけではないと私は思っています。
最もパフォーマンスが伸びた時期のトレーニングバランスがポラライズドトレーニングなだけであって、インゲブリクトセン3兄弟のように、準備期にはZONE2を増やしベースを作り、ZONE3を試合前に増やしていくことが良い流れではないかと思います。
最近はとにかくポラライズドトレーニングをし続ければ良い!と考えている人もいるみたいですが、本当にそうなのかは分からないので少し考えるきっかけになれば幸いです。
●実践例
こういった感じで日々のトレーニングをZONE別に分けてフィードバックしています。
これは私の一昨年と昨年も2年分のトレーニングバランスです。
昨年が自己ベストを大きく更新できた年なのですが、注目して欲しい点はZONE3を大きく増やした点です。
一昨年は、jogの割合が多すぎており、このZONE別でチェックした時に85%以上をZONE1が占めていたので、もっと高強度の練習を増やさなければと意識していました。
これが昨年度自分のパフォーマンスを高めた1番の要因ではないかと思っています。
補足ですが、これらのZONE別トレーニングをより管理しやすくするために、私自身も開発に携わった、「ランナーズマネジメント」という無料ソフトがありますので、ぜひご活用ください!
レース予定を入力をすると、自動でトレーニングの期分けやなどを算出してくれる優れものです。
●ランナーズマネジメントはこちらから
ランナーズマネジメント
●最後に
いかがだったでしょうか?
このように自分のZONEバランスが崩れていないかはたまにチェックすると、トレーニングの偏りに気付けるので良いと思います!
是非皆さんも1度自分のトレーニング強度バランスをチェックしてみてはいかがでしょうか?
ここまで読んで頂きありがとうございました!
またお会いしましょう!