COLUMN

ワークアウト

2020年7月30日

【完全解説!】正しいペース走の実践法とは?

みなさん、こんにちは!


RUNNING SCIENCE LABの新田です!


今回はマラソントレーニングの中でも王道とも言える「ペース走」についてご紹介したいと思います。


実は意外と知られていない「ペース走」の効果や方法についてご紹介していきます!


ペース走とは?

「ペース走」とは一定の距離を一定のペースで走るトレーニングのことです。


例)
12kmペース走(5’00/km)


「ペース走」は季節を問わず、一年中取り入れられることが多いトレーニングです。


また競技レベルに関係なく、トップアスリートからアマチュアレベルのランナーまで幅広く活用されている印象です!


では次に「ペース走」を行うことで、どんな効果が得られるのかを確認してみましょう!


ペース走の効果

「ペース走」の効果を大きく分類すると以下の3つになります。



①ATペース(マラソン)の向上

一つ目はATペースの向上です!


ATペースは理論上、フルマラソンを走る際に最も速いペースとされています。


AT値の詳しい解説はこちらから!
【マラソン】AT値を知れば適正ペースがわかる!


このATペースはトレーニングによって高めることができ、そのトレーニングとして「ペース走」は取り入れやすい代表格とも言えるでしょう!


ATペースが向上すれば、必然的にマラソンタイムの向上にも繋がるので、結果を求めるランナーにとっては必須と言えるトレーニングです!



②ATペースのランニングエコノミーの向上

2つ目はATペースのランニングエコノミーの向上です!


ランニングエコノミーの詳しい解説はこちらから!
【マラソン】ランニングエコノミーとは?


私が考える一番の効果がこの②になります。


次章でもご説明しますが、ペース走の設定タイムはマラソンのレースペースくらいに設定するのが一般的です。


目標としているレースペースで走る頻度を増やすことにより、そのペースでのランニングフォームが安定し効率の良い走りが習得できます。


例えば、同じ漢字を書き続けていると自然と字が上手になってきますよね?


それと一緒で同じペースで走り続けることで無駄が省かれ、走る技術が磨かれていきます。


42.195kmという長い距離と賢く付き合うためには、心肺機能や筋力だけでなくランニングフォームも同時に改善することが重要です!



③筋損傷に対する耐性の向上

3つ目は筋損傷に対する耐性を高めることにあります。


マラソンのように距離の長いレースでは、スタートからゴールまでの間に何回も着地を繰り返さなければいけませんが、実は着地の際に筋肉が少しづつ損傷しているのです。


この筋損傷によってパフォーマンスが低下することが研究で明らかになっており、ランナーはこの筋損傷をどう抑えるか?も考えなければいけません。


基本的には距離走や「ペース走」のように長い距離を走り込んだり、起伏のあるコースを使って脚に負荷をかけることで耐性を作ることが可能です!


ここまで「ペース走」の効果についてご説明してきましたが、次にタイムや距離などの細かい設定方法について見ていきましょう!



ペース走の設定方法

「ペース走」を行う時は、以下の3つを指標に設定するのがオススメです。



①距離

一つ目は距離になります!


目安としては一回の練習で6km-20km程度に設定するとちょうど良いでしょう。


距離にかなり幅がありますが、季節に応じて使い分ける事をお勧めします!


夏のように気温も湿度も高い場合は距離を短めに(6-10km)逆に冬のように気温も湿度も低い場合は距離を長めに(10-20km)設定するのが理想的です!


時には夏場にマラソン大会を控えていて、どうしても距離を長めに走りたい!


という方も居るかと思いますが、その場合は5km×4本にするなど、同じ距離でも細かく区切って走るなどの工夫をしてみてください!



②ペース

二つ目にペースを設定しましょう!


基本的にはマラソン大会で目標にしているペースを用いるのがちょうど良いと思います。


例)レースで3:30切りを目標にしている場合
1km=5’00/km(このペースを用いる)


「ペース走」の効果でもご説明したようにレースペースで走る機会を増やすことでフォームの改善にも繋がります!


ただし、疲労が溜まっている時やコンディション(気温・湿度など)が悪い時もあると思うので、そういった場合は無理にペースに固執せず、臨機応変に調整する事をオススメします。



③心拍領域

三つ目は心拍領域を管理しましょう!


各トレーニングには適切な心拍領域が存在するので、それらを指標にすることが効率良くトレーニングをする上で非常に重要となります。


「ペース走」の場合は、自分の最大心拍数に対して80-90%程度を目安にトレーニングするのが良いでしょう!


例)最大心拍数200bpmの場合
160-180bpm


心拍数を計測する場合は心拍ベルトを活用するのがオススメです。

腕で計測する光学式は数値のズレが大きいため参考にならない場合が多い印象です。


正しく心拍領域を管理して効率の良いトレーニングを行いましょう!



まとめ

・ATペースの向上
・ランニングエコノミーの改善
・筋損傷に対する耐性の向上
・距離、ペース、心拍領域を設定する


いかがでしたか?


みなさんも「ペース走」を上手に取り入れて、パフォーマンスアップに繋げてみてくださいね!


ここまで読んで頂きありがとうございました!


またお会いしましょう!