COLUMN
【マラソン】AT値を知れば適正ペースがわかる!
みなさん、こんにちは!
RUNNING SCIENCE LABの新田です!
今回は「AT値」についてご紹介していきます。
突然ですが、みなさんはマラソンのペースをどうやって決めていますか?
・過去のレース経験?
・練習内容から?
・何となく感覚で?
どれも間違いではありませんが、「AT値」を用いると
もっと正確にマラソンのペースを算出することが可能です。
では、AT値とは一体どんなものなのか、一緒に確認して見ましょう!
①AT値とは?
AT値(Anaerobic Threshold)は、「無酸素性作業閾値」とも言われます。次のグラフを見てください。
AT値の解説図
走る速度を上げていくと、赤い矢印の辺りから
乳酸値が急激に増加していることが分かります。
このように乳酸値が急激に増加する地点※を「AT値」と呼びます。
※血中乳酸濃度の2(mmol/L)付近がAT値。
では次に、マラソンのパフォーマンスと「AT値」にはどのような関係があるのかを見ていきましょう!
②AT値とパフォーマンスの関係性
AT値で発揮できるパフォーマンスは、理論上
フルマラソンを走りきれる最も速いペースと考えられています。
上の図から分かる通り、「AT値」を超えると無酸素系エネルギーが動員され始めます。
有酸素系エネルギーでは、エネルギー源として、体内の脂質と糖質(グリコーゲン)を50%対50%程度の割合で使用します。
そこからペースを上げ、「AT値」に近づくに従って、その割合が少しづつ糖質優位に傾きます。
さらに、AT値を超えると100%に近い割合で糖質がエネルギー源として利用されるようになります。
糖質は少ない資源
糖質は食べ物から摂取して、身体(骨格筋・肝臓)に蓄えておくことができますが
蓄えられる量に限りがあり、上限は2000-2500Kcal程度です。
一方でフルマラソンを走りきるには約2500Kcalが必要と言われており、
スタートからAT値を超えて走り続けた場合、後半に失速する可能性が
非常に高いということが考えられます。
そこでレース中は「AT値」を指標にペースをコントロールすることが
マラソンで最高のパフォーマンスを発揮する最大の鍵となるのです。
③AT値の計測方法
「AT値」の測定方法は二種類あります。
1.乳酸カーブテスト(LT)
2.呼気ガス測定(VT)
どちらも専門の施設で測定を行う必要がありますが
機会があれば一度受けてみる事をオススメします!
※RUNNING SCIENCE LABでも測定可能です。
また最近ではGarminなど一部のスポーツウォッチでも推定値を測定可能です。
この機会に自分の「AT値」を把握してトレーニングやレースに活かしてみてはどうでしょうか。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
またお会いしましょう!