COLUMN

低酸素トレーニング

2020年6月11日

【マラソンの観点から考える!】低酸素トレーニングのメリットとは?

みなさん、こんにちは!


RUNNING SCIENCE LABの新田です。


今回は「低酸素トレーニング」について説明していきたいと思います!


使い方次第では、走力を向上させる強い味方となる「低酸素トレーニング」。


高地トレーニングとも似て異なる「低酸素トレーニング」とは、一体どんなトレーニングなのか?


一緒に確認していきましょう!


①低酸素トレーニングとは?

低酸素トレーニングとは、専用の機械を用いて空気中の酸素量を少なくした部屋(低酸素環境下)でトレーニングを行うことを意味します。


よく持久系競技のトップアスリートが標高の高い環境で合宿を行う高地トレーニングについては見聞きしたことがあると思いますが、それを擬似的に再現したのが「低酸素トレーニング」です。


空気中の酸素が少ない低酸素環境下でトレーニングを行うと、体内の酸素量(動脈血酸素飽和度=SPO2)が一時的に減少します。


 ※動脈血酸素飽和度=SPO2は100%が最大値となり運動の負荷によって数値が減少します。


  日常生活では、100-97%前後
  軽度の運動では、95%前後
  激しい運動では、95-90%前後


体内の酸素量が減少すると、身体が適応しようとして増血ホルモンの「エリスロポエチン」が増加します。


次にエリスロポエチンが増加すると、血液中の酸素の運搬を担っているヘモグロビンが増加します。


ヘモグロビンが増加することで酸素の運搬効率が高まり、今までよりも、より大きなエネルギーを作れる身体へと変わっていきます。


具体的にはマラソンに必要な3つの能力のうち、主にVO2maxやランニングエコノミーの改善に効果的です!

マラソンに必要な3つの能力とは?
マラソンに必要な3つの能力についてはこちらの記事からご確認ください。


ここまで難しい用語も多く出てきましたが、では実際に「低酸素トレーニング」にはどんなメリットがあるのか?


マラソンという競技の観点から見ていきたいと思います!


②低酸素トレーニングのメリット

皆さんは普段どれくらいの頻度で、インターバルやペース走のような負荷の高いトレーニングを行っていますか?


回復時間も考慮すると、基本的には週に2-3回が妥当な頻度かと思います。


これ以上負荷の高いトレーニングを取り入れたい!と思っても、怪我や慢性疲労によるパフォーマンスの低下が心配ですよね…


そんな時に取り入れたいのが「低酸素トレーニング」です!


低酸素環境下でのトレーニングは、体内の酸素量が減少しやすいため、ヘモグロビンが増加しマラソンに必要な能力の向上が期待できると先ほど説明しましたよね!


さらに補足すると、インターバルトレーニングやペース走のように身体を追い込まなくても、同様の効果を得られるのが「低酸素トレーニング」のメリット。


なぜ身体を追い込まなくても同様の効果を得られるかと言うと、空気中の酸素が少ないことが要因です。


空気中の酸素が少ないため、軽度の運動(JOGやウォーキングなど)でも、体内の酸素量が減少し、高い効果を得られる仕組みになっています!


いつものJOGを低酸素環境で実施するだけで、負荷の高いトレーニングと同様の効果を得られるのは大きなメリットと言えます。


世界のトップアスリートはどう取り入れているのか?

世界のトップクラスで活躍するランナーたちは、Living Hi・Training Lowという考え方で高地トレーニングや「低酸素トレーニング」を取り入れています。


Living Hi=普段の生活や負荷の低いトレーニングは高地環境

Training Low=負荷の高いトレーニングは平地環境


あくまで一例ですが、このようにトレーニングによって使い分けることで、より高い効果を得られます!


大切なのは自分にあった「低酸素トレーニング」の活用方法を見つけることなので、ぜひ色々なトレーニングを試してみてください。


RUNNNING SCIENCE LABでは知識と経験豊富なスタッフ陣が丁寧にトレーニングをサポート致します!


③RSLABが提供する
低酸素トレーニングメニュー

●RSLABの低酸素トレーニングメニュー


①インターバル
②ペース走
③変化走
④JOG
⑤ガチゆる走
⑥リカバリーラン


基本的にはこの6種類から、その日の体調や目的に合わせてメニューをご選択頂きます。


その他、トレーニングメニューの相談はいつでも可能ですのでお気軽にご相談ください!


まとめ

低酸素トレーニングを行うと、


①エリスロポエチン増加→ヘモグロビン増加
②酸素の運搬効率向上→VO2max・ランニングエコノミーの向上
③JOGでも高い効果を得られる


皆さんも「低酸素トレーニング」をうまく活用し、効率良くパフォーマンスを向上させていきましょう!


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


またお会いしましょう!