COLUMN
2020年8月24日
【800m・1500m】中距離走のトレーニング理論
みなさん、こんにちは!
RUNNING SCIENCE LABの三津家(ミツカ)です!
今回は「中距離走のトレーニング理論」について、個人の見解を思う存分書かせていただきます。
ぜひご覧いただき、何か参考になるところがあれば幸いです!
トレーニングの立て方
まずは実際のトレーニングを例に、実践的な内容についてお話しします!
800mの選手は、600m+200mの様なトレーニングをレースの目標ペースで行う人も多いのではないでしょうか?
例えば、練習で600mを90秒、200mを30秒切って走ることができれば、800mでも2分切りが達成できる!
長距離の方で言えば、1000m×5本を3分ペースでできれば14分台が出せる!!
…この様な話を聞いたことがある人も多いと思います。
しかし、練習内容をレースに近づけて、なおかつ目標タイムも達成できれば、試合でそのタイムが出るのは当たり前ではないのか…
「それなら毎回練習はタイムトライアルにすればいいじゃん!!」
現状、自分が目標タイムで走ることができないから、走れるようになるために持久力やスピードを鍛えていく必要があるのではないでしょうか?
そのためにはレースに近い練習をするよりも、逆にレースから離れて、持久力なり、スピードなりを個別に、専門的に鍛えていく方が効率的だと思います!
私が行っている練習の例をあげると、
持久力を鍛える
・12000mLT走(3‘30~40) ※LTはマラソンのレースペースぐらい
・3000mOBLA走×3(3‘20) ※OBLAは10000mのレースペースぐらい
・1600mVO2maxの95%走×4 (3‘05~10) ※VO2maxは3000mのレースペースぐらい
・ロングジョグ
スピードを鍛える
・300m×5 (39~40“) ※800mのレースペースよりちょい速い
・150m×5×3セット(18“) ※400mのレースペースぐらい
・ウエイトトレーニング
こういった練習を基本に組んでいます。
また、トレッドミル上で酸素摂取量などを測定するアビリティ測定を用いて、自分に足りない体力要素や適切なトレーニングのペースを確認しながらメニューを調節しています。
現状の確認はレースで行うので、レースペースでの練習はあまり行っておらず、直前に走りを慣らすために軽く入れるぐらいにしています!
またレースを意識した練習を行う際には、ペースメーカーや記録会を利用して行うようにしています。
中距離走のエネルギー貢献
いきなりですが、800mと1500mはそれぞれ有酸素性能力と無酸素性能力が関わっています。
有酸素性能力と無酸素性能力の貢献は、以下の様な割合と言われています。
800m 60%:40%
1500m 80%:20%
どうでしょうか、思っているよりも有酸素性能力の貢献が多いのではないでしょうか?
個人的には、中距離選手は有酸素性能力へのアプローチが疎かになっている人も多いなと感じています。
また、私の修士論文の内容ですが、
VO2max・ランニングエコノミー・MAODなどのエネルギー代謝能力で、それぞれ60%、80%近くパフォーマンスを予測できることが明らかになりました。
あれだけレース展開やペース戦略が重要な種目でも、これだけのパフォーマンスにおけるパーセンテージを「体力」が占めています。
レースを意識した練習ももちろん大事だとは思いますが、まずは自分の有酸素性能力や無酸素性能力の「体力」を鍛えることがベスト更新への近道です!
最後に
今回は私の練習理論を好き勝手に書かせていただきました!
まとめると
●自分にできないこと(自己ベスト)を達成するために、レースから離れて持久力やスピードに特化したトレーニングを行う。
●レース練習は、スピードと持久力の養成を大事にしながら、メインレースの前に記録会やペースメーカーを利用して数回行う。
こんな感じで日々のトレーニングを行なっています。
いかがだったでしょうか。
皆さんも自分なりのトレーニング論を見つけ出してみるのも面白いのではないでしょうか!
ここまで読んで頂きありがとうございました!
では、またお会いしましょう!